●ご挨拶



 

  日本精神衛生学会 第39回大会

 

    会 長  上別府 圭子

   (国際医療福祉大学大学院

    医療福祉学研究科

    家族看護学領域 教授)

2023年12月2日~3日に開催される日本精神衛生学会第39回大会の大会長、上別府圭子(国際医療福祉大学大学院)の写真です。

 日本精神衛生学会第39回大会大会長を、担当させていただくことになりました。私は牛島定信先生が大会長をされた第32回大会で副大会長を務めさせていただきましたので、その経験も活かして精いっぱい努めさせていただきます。顧問に影山隆之本学会理事長、事務局長に第36回大会副大会長を務められた高下梓先生をお迎えし、経験豊かなブレーンと活発な若手チームに支えていただきながら企画・準備・運営を行って参ります。

 本学会は、さまざまな心のひずみや多発する病理現象の解明と、ケアや対策の実践を目的に、土居健郎先生方が発起人となって1985年に結成されました。第1回大会大会長は土居先生です。土居先生が「君たちのためにつくった学会だよ」とおっしゃってくださったことを、若い皆さんにお伝えしておこうと思います。また土居先生は「研究」のみならず「実践」を目的に含めるという意味で、多くの組織等が「精神保健」に名称変更しても「精神衛生」という名称を守っていらっしゃいました。多職種で構成され、メンタルヘルス・リスポンスチーム(MCRT)が活動してきた実績も、本会の特徴です。土居先生が「君たち」とおっしゃったのは、「個も集団も大事」「研究も実践も大事」と思っている「私たち」のことだと思います。「私たちみんなの学会」の大会に、是非、ご参画・ご参集ください。

 私はこの20年間、家族看護を専門として参りましたので、今回の大会テーマを「家族と個人」とさせていただきました。私たちは生を受け、生まれ育ち、働き、老いて死ぬわけですが、人々の生涯を家族のライフサイクル・家族のライフステージとして考えていくこともできます。家族も、ライフステージごとの発達課題をもつほか、病い(看護・介護)や、事故・事件・感染症パンデミック・災害・国の経済危機など、さまざまな課題に遭遇するリスクがあります。大会では、「生まれ育つ」者、「老いて死ぬ」者のいる家族をめぐる課題と、「支援者のメンタルヘルス」を3つのシンポジウムで取り上げます。特別講演には早くから「感情労働」に着目されていた武井麻子先生、教育講演には「下手くそやけどなんとか生きてるねん。」の著者 渡邊洋次郎さんをお迎えします。交流会(全員参加可)は、講師も交え自由に討論をしていただく場にするべく企画中です。イブニングセミナー(人数制限あり)では、事例研究会を開催する予定です。プログラムを順次掲載して参りますので、ときどきチェックしてください!

 日本医師会認定産業医・日本精神神経学会精神科専門医・日本臨床心理士資格認定協会のポイントも、一定の手続きを経て付与されます。また、一般演題の中から、優秀演題の選考を行い、優秀演題賞の授与を行います。産業医研修会を除いてWeb開催にはなりますが、相互交流のできる活発な大会を創りあげていきたいと思っています。

 2023年12月2-3日(土日)、Webの中の東京会場にお越しいただけましたら幸いです。